2019年10月25日(金)~10月26日(土)
テアトロコント vol.40 渋谷コントセンター月例公演(2019.10)
主催公演
公演詳細
テアトロコントvol.40(10/26)の演目
【クロコップ】格闘技をベースにした歌ネタというか踊りネタを4本。自分たちのネタは動きが激しいので終了後は確実に体重が減ります、今日はそれを証明します、などということを言って、舞台上で現在の体重を測定してからネタに入る。勢いがあっていいなあと思いながらみていたら1本目でさっそく息切れしていて、ネタだとわかっていても笑ってしまう。体重の方は、しょうたは200gほど減っていたが、冒頭であれほど豪語していた荒木は全然減っておらず、それもなんだかおかしかった。体重計を映す小型カメラがうまく作動せず、スクリーンに「セピア」「モザイク」「手ブレ」「SONY」といった文字が次々に映し出されていたのもシュールで笑った。こうした2人が醸し出す雰囲気そのものに愛嬌があって、30分間何も考えず童心に返って楽しめた。
【関田育子】『真緑の雲梯』は、同級生から仲間外れにされるのぞむとその父親のたけもと、たけもとの現在の交際相手であるみちことみちこの父親、という2組の親子が登場し、彼らが送る日常のミクロな風景が描かれる。のぞむとみちこの父親(小久保悠人)、のぞむの同級生とたけもと(長田遼)はそれぞれ同じ役者が1人2役で演じるのだが、それを利用して、たとえば、校庭の雲梯で遊んでいるのぞむが、次の瞬間、家の中で脚立にのって物を探すみちこの父親に切り替わっていたり、野球のボールを取ろうと右手を上にあげている同級生が、喫茶店でみちこに手をふるたけもとに切り替わったりと、共通の体勢をとる人間を軸に、場面を転換させていたところが非常に面白かった。観客の想像力に信頼をおいているようにみえる。また、この場面転換もそうだが、全体に視点が映像的というか、観ている側の映像的な視点を喚起するような作りになっているところも面白かった。ほとんどの場面で、会話を交わす者同士は互いに視線を交わさず、不自然に離れたり近すぎたりする場所でそれぞれ別方向を向いてしゃべる。表現的な狙いはよくわからなかったが、ストーリーは難なく理解できる。ただ、観ている自分は状況を理解したいので、2人は実際はどこでどのように向き合っているのだろうかと、環境を含めて脳内で場面を再構築し始めていた。3Dメガネをかけて左右別々の映像を見ながら脳内で1つの立体的な映像を完成させるようなイメージである。7~8割方そんな風にして観ていたのではないかと思う。脳がとても刺激を受けた気がした。ストーリーは散文的で、表面上は静かだが、のぞむは理不尽な同級生の態度や存在のよくわからないみちこに対するやり場のない怒りを募らせているし、みちこは最後のほうで、うちは名前をうまく発音できないようなケーキよりもイチゴののったショートケーキを食べる家だ、などといったせりふを吐いてたけもととの間の埋めようのない溝を感じさせるし、今後の嵐を予感させた。
【水素74%】『未知との遭遇』は、ナンパを介して出会った男女4人が、2組のカップルになってそれぞれの時間を過ごし、別れるまでを描く。出会いを積極的に求めていた男女は結局うまくいかず、彼らに付き添っていたために渋々一緒に過ごすことになった男女の方はうまくいくといった展開にはどこか懐かしさを覚えるが、人と人との出会いの面白さや奇妙さは、観ているあいだ確実に迫ってくる。後半に行けば行くほど、タイトルは後者のカップルの方を指しているように感じられた。街角それも渋谷でのナンパで結婚相手をみつけようとしたり、そうしてナンパした相手に出会ったその日に本気の告白をしたりする林の濃いキャラクターが面白い。演じる須田拓也がとてもはまっていた。他の3人のキャラクターも30分では収まりきらない個性がにじみ出ていた。かずこを演じた川面千晶は、コメディエンヌ的な存在感とりわけ表情が素晴らしくて、登場するだけで嬉しくなった。
【わらふぢなるお】正攻法のお笑いのコントを6本。いずれもせりふに無駄がなく、テンポがよくて、みていて気持ちがよい。『音声検索』は、電車内で、スマホの音声検索機能を使う隣の乗客の声が気になって仕方がないサラリーマンの話。こういう、まさにいま共感できる日常の一場面をすくいとって笑いにかえてみせてくれるところがコントをみる醍醐味のひとつだと思った。『便器選び』は、タイトルのぶっきらぼうな感じがすでに面白いが、店員が、白いシャツを着た客の男と真っ白な便器との見分けがつかなくなる場面の一瞬のシュールな空気感がものすごくて、舞台全体が白飛びしたような印象が残った。その後の「水に流してください」という落差のある渋いオチも愉しい。『コンビニ』と『アイスクリーム屋さん』をみるのは2度目なのだが、流れがわかっていても同じところで笑ってしまう。特に『コンビニ』の盤石さはもはや落語の域に達しているように感じた。(大熊)
そこにホースがあります。
テアトロコントvol.40(の話)に(も!)行く前にANOMALYで小林耕平さんの「ゾ・ン・ビ・タ・ウ・ン」の展示に行きました(/す)そこで会場入ってすぐ右手側壁に映っている伊藤亜紗さんの文章「消去 たとえば紙に鉛筆で「麻婆豆腐」と書いたとする。これを消す方法を考えてみよう。」を読んで・見た時にこれは関田育子さん達の話でした(書いている今なら順番ですが時系列的におかしい発生してるとしたらそれはその会場で後で見つける文章「タイムトラベル 最近発表されたある論文が「クラフトワークの元ネタはPerfumeである」という仮説を立てていた。」の話があったからかもしれませんし(これは書き足しなので実際ほぼ確ですが→)「多分」後で今からする「対談の話」にも似たパートあったんですが「太っいスタートライン!」(ファイヤーサンダーの)なので端折ります)紙に書かれた「麻婆豆腐」の字を消しゴムで消す紙を燃やす「なし」と書き足す「麻爺豆腐」と書き足す(!)色々な方法が試されますが消えませんしむしろ消そうと意識すればするほど味が濃くなります(「ケンコーのガーリックバターソース」ばり!)やっぱ本来始めるつもりだった始め方でまた始めてみます「太田省吾の綴ったエセーのなかにこんな一文がある。」(←「これは演劇ではない」01号の新聞家・村社祐太朗さんの連載「走尸行肉」(はもっとザワついていいんじゃないかぐらいにめっちゃくちゃ面白い「けだし名文である」(けだし?)のでこの自分文は読み飛ばしてもらってこの紙に載ってる他の人のはじっくり読んだらすぐに是非「これは演劇ではない」で検索で是非!)本物の連載では別の太田省吾さんの言葉でしたが→「演劇表現が生に触れるためには、概念化の目では何もないと見えるようなところへ表現を限定しなければならない。」関田育子さん達は「小道具や舞台美術はありません。その空間の中で俳優の動き、眼差し、台詞」(テアトロコント当パン)始まり方は俳優が出てきて少し上を見て右腕を段々上げて左腕を段々上げてそしたら交互に空中に突き出し掴む・もう一人が離れた所で「ガンバレ!」とその場で少し上を見ます・その辺りで「これは雲梯(うんてい)である」(雲梯動作にも2パターン「足も動かすから舞台の上移動する/足は不動だから移動しなくてその場で腕だけ」)という事がマジカル頭脳パワー!!で(もう一人で補給されてより)わかり?ます「(漫画的記号的「情念定型」(ヴァールブルクさん))ジェスチャークイズに多分途中正解したのに気づいたらキャンセリングされてる」のがズルズルズルとゆっくり(&いきなり)変化してます(ドゥルーズさんの)「注意深い再認の失敗」?「砂糖が溶けるまでは誰も待たなければならない、という言葉があります」(加藤典洋さん(ベルクソンさん?・「パンのパン」Vol.1で石岡良治さんが座談で平倉圭さんを引き合いに出した「じっくり待つ」以外アプローチ「かき混ぜる」たら早く意味がこね上がる?かジェスチャーはまた違う意味に変容?タル・ベーラさんの「サタンタンゴ」その長回しにはただのカメラじゃすまない「覗き込む」の「込む」体が発生する身体感覚があり(ただのカメラじゃ「覗く」くらい)関田育子さん達にも同質のシームレスゆえの(シーム方面のグラウベル・ローシャさんとか大林宣彦さんとかカタカタ解体細切れキュビスム編集の再統合もまた見る体の作り変えが起こる?)「黄色い本」を持っています。(←高野文子さんのではなく表紙に怪獣がいます)その中に出てくる高野文子さんの「棒がいっぽん」的「驚異的な性能のオートフォーカス機能」(高橋源一郎さん)のようなコマのつなぎ方からコマすら無くしたような空間のひしゃげを関田育子さん達は実現しています揺す/られる動作の2人が遠隔なままそれぞれが独自で動き/かされますし雲梯から下に落ちた人と隣で雲梯をまだしている人が「同じグラウンドレベルで違う高さにいます」そこにホースがあります。(ホースはテアトロコントの会場にはありませんし関田育子さん達のにもありませんが小林耕平さんの展示会場にあります)「水道のホースは水を通さない材料を使って、水を通すわけです。」(森政弘さん・先程の黄色い本から引用)いつのまにか逆アプローチ?もう何が逆?ひとまず「情報の相反はヒトを笑わせる」(いとうせいこうさん)(今からする対談の話の)カントさん(敬称略って大事ですね逆にふざけて見えますね)の「無限判断」を招くようなみうらじゅんさんの「空あり」のようなもの「「私」がいる場所と考えている場所に違いがあって、中心が二つになってしまう。そういう楕円感覚」(大澤真幸さん(と國分功一郎さんの「対談」これです!))にあるタイプの「自由」が関田育子さん達の演劇にはありますDA PUMP / U.S.A.でみんながそれぞれのボールを同時に蹴って見るみたいな(それはモノが無いから起こる)・対照的に福井裕孝さんの演劇はCHEMISTRY川畑要さんのグラサンの掛け方で視線の重力の方向が変質するみたいな(それはモノが有るから起こる)・もうすでになにかに見えていることにあとから気づきます(小高大幸)
意味を求めすぎな現代社会への落雷
書店で気になった本に手を伸ばすと、同じようにして伸びてきた指先と触れ合う。互いにサッと手を引いて、気まずそうに見つめ合う目と目。男女の間に電流が走る。もしかしたら、これが世に言う、運命の出会い!?そんな経験をしたことがあるって人、中にはいるかもしれません。でも翌日、道を急いでいる途中、同じ人とぶつかり、そのまた翌日、落としたハンカチを拾ってあげたら同じ人だったなんて3日連続の奇跡に遭遇したことがあるって人、いますでしょうか?いたら、今すぐ手を挙げてください。じっくり話を伺いたいです。安いドラマでもない限り、普段の生活では、まぁ、あり得ないでしょう。そんな非現実的なシチュエーションを設定し、そこから笑いを創造するのを得意とするコント師がファイヤーサンダー。2018年、ABCお笑いグランプリで東京を拠点にする芸人として初めて優勝をかっさらった実力派です。奇跡の出会いに胸をときめかせる乙女を演じるのは、作・演出を手掛ける﨑山祐さん。その出会いを目撃する第三者、ツッコミ役の藤田崇之さんがあることに気づきます。「この運命の赤い糸、自分も含めた3人で結ばれてんのとちゃうんか」と。男女が互いの名前を尋ねると、大山と小山。目撃者は「俺、中山!」とテンションが上がる。さらに出身地を尋ねると、3人とも四国!そこでハタと気づくのです。「赤い糸で結ばれてんの、もう一人おるな」。よくできたオチ。客席も大爆笑。でも、よく考えてほしいのです。その一人は3日連続の奇跡の場にいないのだから、赤い糸で結ばれてなんかいないですよね。それでも、彼らのコントには爆笑させられてしまいます。何故なんでしょう?
例えば、パチンコで勝って高級寿司屋に乗り込んだまではよかったが、想像以上に値段が高く、持ち合わせがなかったという男のネタ。ある客がマヨネーズをかけて食べたいと言い出すと、当然のごとく店主は怒り、「金はいらないから帰れ」と言って叩き出す。これを見て「シメた!」と思った男、同じようにマヨネーズを要求すると、スッと差し出されてしまう。「なんで?」。ならばと、ケチャップを要求しても応えてくれる。「なんで?」。別の客が写真を撮ろうとしたら、烈火のごとく怒り出し、金を受け取らずに帰した店主。「これか!」と思い、その男がカメラを向けると、店主は満面の笑み。「なんで?」。結局、最後まで納得のいく答えを得られないまま、コントは終わってしまいます。そこで多くの客は思うのです。「なんで?」。でも、もう一度、考えてほしいのです。あり得ない状況を題材にした彼らのコントにそもそもリアリティはありません。いかにもコントといった大仰な芝居からして、彼ら自身もリアリティなど念頭に置いてないのでしょう。ロジックを超えたナンセンス。それこそが彼らの真骨頂。とかく意味に縛られがちな現代人にこそ必要なのかもしれません。意味からの解放を促すファイヤーサンダーのコントは。(市川幸宏)
台風ニモマケズ。
《1》【ファイアーサンダー】<コント師>2人組/演目:『合言葉』他、計5作品/★★★☆☆/
ラーメン屋店主「へい、らっしゃい!注文は?」男「…いちごパフェ…」店主「…え?」男「…いちごパフェ」店主「…うちラーメン屋ですけど…」男「いちごパフェ!」店員「ないです!」男「いちごパフェ!」店主「ない!」男「いちごパフェ!」店主「出て行け!」…という推し問答をしつこく18回繰り返すと、店主「お待ちしていました…」と拳銃の包まれた袋を取り出し、手渡す店主。”いちごパフェ”は密売拳銃の合言葉だったのだ。同じ要領で拳銃の弾を手に入れるために、今度は”ティラミス”を同じ調子で18回繰り返す、ストレスフルな密売ラーメン店とのやりとりを描く『合言葉』。雲ひとつない晴天のようなスッキリとわかりやすいネタで、キレとテンポが小気味よく、幅広い年齢層に楽しめる気がする。ネタを5作品立て続けに見てしまうと、その屈折のなさが少しだけ物足りなく感じてしまうのは贅沢か。
《2》【関田育子】<演劇人>出演者:3人/演目:『真緑の雲梯』1作品/★★☆☆☆/
「がーんばれ、がーんばれ」。雲梯(うんてい)クラブにいれてもらいたい少年ノゾム君は、途中で手を放してしまいクラブには入れなかった。悔しそうに、もう一度両手を雲梯に手をのばすと、”両手を空に伸ばしたノゾム君”が、”脚立の上で作業をしている中年男性”に、同じ俳優のまま、役と場面が変わる。下で脚立を支えている娘は、片手でスマホを覗く。自分の命を軽んじてるとスネる父だが、娘は人と会うと出かけてしまう。その相手は恋人でもあり、ノゾム君のお父さんでもある…といった具合に、三人の俳優で、”父と娘”のやりとり、”ノゾム君・ノゾム君のお父さん(恋人)とのやりとり、をシームレスに入れ替え、ゆるく展開する。主宰が意識している「広角レンズの演劇」と呼ばれるスタイルは、”フレーム内のものに等価にフォーカスを当てること”という意味らしい。声を特別視しすぎない音楽や、俳優を特別視しない舞台は自分も大好きなので、等価表現というロジックは理解・共感できるが、今回の作品が実際どのようにそれに対応していたのかは、正直掴みきれなかった。
《3》【水素74%】<演劇人>出演者:4人/演目:『未知との遭遇』1作品/★★★☆☆/
品定めだけで二時間経ってしまった先輩・後輩関係の男二人組が、美女と野獣の女二人組のナンパに成功し、先輩は美女、後輩は野獣と二手に別れるが…。「テアトロコントVol.19」で既演した作品の再演。コント組ではよくあることだが、演劇人のテアトロコント再演は自分の知る限り初めて。話が面白いのと、配役が変わると雰囲気が変わるので、そこまで気にせず楽しめた。テアトロコント名作集とかもありなのかもしれない。台本上は先輩男のピュアさを踏みにじる、だらしない美女に途方にくれるような描き方だが、ナンパで誠実さ120%で告白してくる男のほうがヤバイだろ、なんてことを真面目に考えた。だらしない美女の繰り出すセリフ選びは見事。
《4》【空気階段】<コント師>2人組/演目:『NEZUMI』他、計4作品/★★★★☆/
「おっちゃんはね、マウスと一般人の間で生きてんだよ」。600万の借金を抱えたパチンカスが、羽振りのいいおっちゃんに、実験用マウスを通過した薬を一番最初にぶち込まれる治験を薦められる『NEZUMI』。「体に害は無いの?」「あるよ。歯は抜けるな。」「こないだNEZUMI仲間と一緒に競馬行ったらよ、ハッとみたら服だけ落ちてんだよ。…溶けたんだな。」「道に時々、靴とか軍手とか落ちてんだろ、あれ溶けたNEZUMIの残骸だから。」。前回同様、アンダーグラウンドな世界を、愛嬌たっぷりに表現する様に引き込まれる。黄泉がえり的な恋愛モノもあり、世界観にまだまだ伸びしろを感じさせ、進化が楽しみ。
【総評】生憎の”台風ニモマケズ”の金曜日だったが、今回が”vol.40”のテアトロコントだったらしい。この調子だと来年のオリンピックイヤーに”vo50”に突入する事になりそうだが、小さなフェスなどあったりするのだろうか。そういえば、パンフに次回日程が記載されていると準備がしやすくて嬉しい。今回も多くの学びを頂き感謝。(モリタユウイチ)
シンプルに
ファイヤーサンダー『運命の赤い糸』本屋や道端で連日、同じ人が同じ人のハンカチを拾う場面を目撃する。しかし実はこの3人、同じ誕生日・名前がコスモ、そら、宇宙であることが判明。この目撃者も含めた運命が動き出す。更にスマホ世界限定4つをこの3人が保有。もう1人は四国に。大山、小山、中山、残る1人は〜山さんだ!?『寿司屋』パチンコに勝った男は意気揚々と高級寿司屋に。散々食べるとお勘定の額を聞いて愕然。パチンコの上がりでは全く足りない。困った男は大将に失礼な振る舞いをし、なんとか「オマエの銭なんぞ、いらねえ!帰れ!」を引き出そうとする。しかし何故か全て受け入れられ許されてしまう。観念した男はお金が足りないと白状する。すると大将は「お代はいらねえ!お兄ちゃん昔の巨人の7番に似てるんだよな!」柴田?吉村?二岡?『合言葉』ラーメン屋での拳銃受け渡し。合言葉はイチゴパフェ。18回言わなければならない。もう1丁はティラミスを最初から。流石に途中で止めて「普段からちゃんとラーメン屋やれてんのか?」と問うと店長はしたり顔で「普段からってウチは元々ラーメン屋ですよ。」とウソぶくのであった。合言葉のワードが無限に存在するので難しいお題だなと感じる。『食堂』売れないミュージシャンにメシを食わせてあげるご主人。5年後メジャーデビュー、オリコン1位、飲み仲間がB’z、紅白出場と、どんどんステップアップするが、なかなか現状に満足しないミュージシャン。このままでは壮大な食い逃げも懸念されたが遂に10年間のお礼を主人に手渡すミュージシャン、中身を確認すると18万円。「少なない?」というオチだったのだが確かにトータルで考えると少ないのだがタイミングによっては1度に貰う18万は少ないかな?という方に気持ちが行ってしまった。『野球部と不良』甲子園を目指す野球部に対して「そんなのムリだろ、もし行ったら全裸フルマラソンしてやるよ!」と豪語する不良。その日から不良の全裸フルマラソン特訓の日々が始まる。そして甲子園予選前日、部員が9人しかいない野球部の1人が遅刻!そこに現れたのは特訓で体をバッキバキに仕上げていた不良の姿であった。「オレに合うユニホームあるか?」感動のFin.
関田育子『真緑の雲梯』ノゾムちゃん、ミチコ、父、タケモトくん等の人格を3人の演者で構築していく。特にミチコと父のシーンは秀逸で酔って帰って来たミチコが「ここが良いの」と言って居間で寝てしまったのを見て毛布を掛け、そこで父も一緒に寝る場面、そしてラストの雲梯をするミチコを見上げる父「ミチコ危ないぞ。」ミチコは雲梯を渡り切ってから着地して「うん。」と言う所は素晴らしく、印象に残っています。と同時に矛盾するかもしれませんがデッカい声で
科白を言う芝居も観てみたいとも感じました。
水素74%『未知との遭遇』ナンパ。「オレは誰かれ構わずいかないよ。」と清潔感を求め敗者の理論を展開する山田さん。もっと危機感を持てと一緒に来ているキヨシに言われ意を決して2人組に声を掛ける。「付き合って下さい!」とか、いきなり言ってしまう山田さんのガックンガックンしたクラッチの繋ぎぶり。しかしマユはそれに乗り山田さんと行ってしまう。2人がいなくなるとカズコの方もキヨシと満更でもない雰囲気になる。一方山田さんは2軒目をどうするかで決断を迫られていた。「じゃあ今日は解散で。」と驚きの決断。山田さんにしてみると好きだからという事なんだが無駄な正義感も所有する山田さん。そんな所にカズコ・キヨシと合流、コリャ完全にヤッたなって感じで「楽しかったし、楽しかった。」とベッタリな2人。更には、ここでマユは子持ちである事が発覚。女の子達は帰ってしまい、連絡先交換済で余裕のキヨシを他所に山田さんの怒りのフューリーロードは果てしなく続くのだった。
空気階段『NEZUMI』何故か大金を持つヤギさん。パチンコ屋で隣りに座った男に怪しい治験話をする。それはマウスと一般市民の間で生きるNEZUMIの存在。人間で1番最初に投薬を受ける。すると突然呻き出し声が甲高くなるヤギさん。トローチの治験中でした。『花火』花火に行く途中、事故で死んでしまったヨシノが元カレ・オオカワくんの前に現れる。でも彼女は生きていた時とは違っていた。天国デビューを済ませていたのだ。だから思わずオオカワくんから出てしまった一言。「1回やらして。」『ゆうえんち』デスノートのLと羊たちの沈黙のレクターを合わせた様な男が犯行現場での分析で犯人の人物像を次々と明らかにしていく。が、その男の正体はただ、いろんな所で脱いでる人でした。アディオス!窓パリーン!水川かたまり氏覚醒の予感。『関健』テーマパークに迷い込んでしまったランボーチックな関健。迷子の子供を助けようとするがエレクトリカルパレードを戦争に見立てファンタジーに飲み込まれてしまうのであった。(イトモロ)